カメラの設定と背景の撮影を記載した前回からの続き。いよいよホタルが飛び始めたら、撮影モードを「バルブ」に変更して、レリーズで撮影を開始する。
4.撮影方法
②蛍の光の撮影
電子レリーズで連続撮影の設定をするのだが、予め明るいウチに設定しておいた方がいい。今回は、シャッター速度30秒、インターバル1秒 100枚の設定で撮影した。カメラは約50分間撮影し続ける計算になる。
蛍の光は絞っても開放でも撮影できる。あまり神経質になる必要は無いが、できるだけISO感度を下げる為、今回は絞りを開放側に(F値を小さく)する。絞りを開けるのでレンズの近くを飛んだ光はピンボケするが、これがまた写真の奥行感になり面白い仕上がりになる。
SSは30秒。あとはISO感度で写真の明るさを調整する。
SSは短くした方が一般客の光害を受けても被害を最小限にできるが、あまり短く枚数を増やしてしまうとPCの合成作業が面倒だ。この辺りのバランスから私は30秒にしている。
背景は既に撮影済なので、写真そのものは蛍の光以外は真っ暗になってしまって構わない。逆に合成写真を作成する上では真っ暗にしてしまった方が後々都合がいい。源氏ホタルの明かりはとても明るく、SS 30秒だったらISO感度はそんなに上げずとも写真に写る。
今回は暗くなってから2,3枚試し撮りして、蛍の光が写る事を目視確認して露出を決めた。F2.8 ISO200 SS 30秒。絞り開放がF3.5のレンズならF3.5 ISO400 SS 30秒程度で写ると思われる。(もちろん月明かりの有無、キャンプ場の明るさなどで変わる。)
レリーズの開始ボタンを押したらもう自分が出来る事は何も無い。ホタルの軌跡はホタルが決める。できるだけたくさんのホタルがカメラの前を飛んでくれるように願うだけだ。肉眼でホタルを鑑賞しながら酒でも飲もう。
30秒のシャッター速度で写るホタルの作例。キャンプ場のWebによるとこの日この場所には5,000匹の蛍が飛んでいた。
③撮影時の注意点
多くのカメラマンは早い時間から場所取りしていると思う。一般客より蛍鑑賞に最適な場所を確保しているだろう。子供も多くいるキャンプ場。混雑している場所、しかも夜間に三脚を立てるのはできるだけ避けたい。しかし三脚が無ければホタルは撮れない。
せめてもの心遣いとして三脚の足は全てを延ばさずに小さくコンパクトに自分はしゃがんで背後の人がホタル鑑賞できるように配慮したい。(もちろんそれが出来ない場所もあるだろうが。)
カメラの液晶画面は明るくて他の撮影者の邪魔になる。カメラ本体にカッパを被せる等して、液晶画面を隠そう。帽子を被せるなどでもいい。
このキャンプ場はホタルを見る為の消灯時間が決められており、その間ランタンやライト、スマホも一切使えない。しかしそれでもルールを守れない人は必ずいる。ルールを守れない人をいちいち不満に思うよりも、最初からルールを守らない人を許容してしまった方が心理的に楽だし、撮影対処も変わってくる。場所や構図の決定はルールを守らない人がいる前提で考える事が重要だ。
今回の撮影では広角レンズを使わず、狭い範囲を構図にしているのもその為。人が居ない場所ならもっとダイナミックで広範な構図も考えられるだろうと思う。
この項をまとめると
・背景は撮らない。蛍の光だけが写るギリギリの露出で撮影し、低ISO感度をキープする。
・背景の写真よりも明るく撮らないように注意。
・電子レリーズで連続撮影を行い100枚程度(ホタルの数にもよるが)を撮る。
・一般客への配慮を
次回は最終回 PCを使ったソフト編集、合成処理で背景写真とホタルの光を合成します。
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