■2016年8月19日(金)~20日(土)栃木県日光市菖蒲ケ浜キャンプ場
自分のキャンプ歴は37年前、小学生の頃にこの中禅寺湖のキャンプ場から始まった。
普段は想像もできなかった父親の頼もしさをここで知った。高3の時に父親を失った時も、当時のキャンプ仲間がここで慰めてくれた。あの時、高校生3人で作ったカレーライスと焚火、生まれて初めて飲んだバーボンとセブンスターを一生忘れない。
成人した後も日本ではここにしかいないレイクトラウトを釣り上げる為に足しげく通った時期もある。この日光の自然に圧倒され、写真を始めたのもこの湖の紅葉を撮る為に先輩から銀塩の一眼レフを譲ってもらったのが最初。
自分がどれほどここが好きだったか、結婚式もこのキャンプ場の隣にあったプリンスホテルの芝生の庭で挙げた。そして子供を持った後も、わずかな期間に許されるワカサギ釣りを家族で楽しんだ。
まるで自分のアウトドア趣味の原点の様な場所。振り返ればその頃からブレずに同じ事を繰り返しておじさんになってしまった。。。
あまりにも思い出の多い中禅寺湖だが、2011年のあの事故はこの湖に甚大な被害をもたらし、5年経った今も尚、セシウムの値は下がらず魚の持ち出しは厳しく制限される。ここの名物だったヒメマス料理はもう二度と戻らないかも知れない。
一見、当時と何も変わらない美しい景色。しかしもう元には戻れない現代社会に侵された代表格の様な湖にも思える。美しければ美しいほど悲しい。それが自分の中の、現在の中禅寺湖。
キャンプ場には14時ごろ着。今日のテントは
ノルディスクオップランド3PU、菖蒲ケ浜は林間と湖畔に張れるが空いている湖畔を選んだ。
今日はキャンプ以外は何もせず中禅寺湖でのんびりしたい。久しぶりの菖蒲ケ浜キャンプ場を散策する。
中禅寺湖から見る日本百名山の一つ男体山(2,486m)。なだらかで優しい山に見えるが、この山の登山はキツイ。この山の二荒山神社ルートを作った人は余程近道したかったに違い無く、登れば登るほど急勾配になっていく一直線状の上り坂。根性の試される山である。体力に自信のある方は是非チャレンジしてみては如何だろうか?
ちなみに私はもう二度とこの山には登りたくない。眺めているだけでお腹一杯だ。
キャンプ場の隣に、現在は遊休設備になっている旧日光プリンスホテルがある。プリンスホテルグループは既に日光から撤退した。賢明な判断だと思わざるを得ない。建物も無くなってしまっていると思っていたのだがそのまま残っていた。
懐かしい。ウエディングドレスをこの芝生に浮かべたあの日、私も妻も26才。。。若かった。そして二人ともやせていた。。。来年の結婚記念日は20年目だ。忘れて飲みに行ったら大変な事になる。注意せねば。
夜のバーボンに合わせて
笑's A4君にスモークを仕込む。チーズと厚めのベーコンとナッツ。
しばらくぼけーっとしてたら雲が厚くなってきた。日が沈むのも見られない。そして風が強い。
食材は宇都宮市内の適当なスーパーで調達したのだが、お盆時期なのに早くも今年の国産新サンマが出ており迷わず購入。脂がのっており、網に置くと同時に皮は溶けてしまった。サンマは頭を落とすと遺体みたいに見えて気味が悪いが、スーパーで既に落とされており、写真写りが悪い。
前々回の
廻り目平キャンプ場で飲んだワインが妻に「贅沢品認定」されてしまい、今日は安酒のバーボン。しかしこの
I.W.HARPERこそが、あの日ここで生れて初めて飲んだ酒なのだ。
27年前の高3のキャンプを一つ一つひも解いて思い出す。3人ともカレーを作ったのはあの時が初めて。しかしたまらなく美味かったのだ。それぞれが別々の道に進んだが、今も家族付き合いは続いている。
1980年代から1990年代のこのキャンプ場の人気は凄まじく、ガイロープをクロスで張るのは当たり前、タープはスペースを独占するのが申し訳なくて張るのを躊躇するほどだった。張ったとしても誰かのガイロープがタープの中に入ってくる。
今も混雑しているキャンプ場に変わりは無いが、あの頃に比べればずいぶんマシになった。 減り続けるキャンプ人口。ここ2,3年で底打ちしたようだが、現在はピーク時の約半分(1996年1580万人-2015年810万人)しかいない。中禅寺湖畔にもかつては3つのキャンプ場があったが残っているのはここだけである。
ここの宿泊料金はかつて300円とか、そのぐらいだったのだが現在はテントの大きさに合わせて料金を変えていてやや複雑化しておりタープも別料金。所有スペースに応じて料金を徴収する体系、昔の状況を知っているので何となく納得できる。
この日は満月に近く明るい夜だった。
翌朝は突風の吹き荒れる雨。雨は降ったり止んだりしていたが風は強いまま。朝食をテント内で食べた後、インナーレスにして撤収のタイミングを伺う。リヤカーで200m先の車まで運ばなきゃならないので撤収が大変だった。
一週間に二度の奥日光。今回は思い出に浸りながら中禅寺湖の湖畔で何もせず食べて寝た。キャンプ場の設備はだいぶ変わって現代的になったが雰囲気そのものも、背の低い木漏れ日の涼しさも、このキャンプ場が持つ優しさは何も変わらない。またここに来よう。そして再びレイクトラウトを狙おう。
■菖蒲ケ浜キャンプ場
栃木県日光市中宮祠2485
0288-55-0227(管理事務所)
http://www.shoubugahama.co.jp/
P.S.
ブログを始めて1年8ヶ月。ついに。。。100件記事書いたー!! いやーよく書いたもんだ。。。
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