高ボッチ高原 ソロキャンプ

へり

2016年12月07日 01:07

注:2018年以降高ボッチ高原でのキャンプは禁止されています。


■2016-12-03(土)~04(日) 長野県塩尻市 高ボッチ高原

11月の大雪で一旦閉鎖された道路が解除された。昨年一番悔しい思いをしたキャンプ、高ボッチ高原へ。




 昨年来た時はここからの富士山は見えなかった。今回は見せてくれるのか、天気予報は完璧じゃなかったから大きな期待をせずに自宅から中央道経由で3時間、200km先の高ボッチ高原に向かう。

 14:00頃着。富士山が顔を出してくれた。高ボッチから見る初めての富士山。距離はあるのに想像よりも大きく見える。この景色を見て軽く感動したが、今思えばこの景色はこの場所の「単なる普通の日常」だ。






 張ろうと思っていた一等地にはキャンピングカーが停められており、既にいくつもの三脚が設置されていた。止むを得ず車の出入りが激しそうな小さな空き地にアルヘイムを張る。




 広大な高ボッチ高原。ここはキャンプ場じゃないので、水場は無い。トイレは比較的綺麗な水洗トイレが駐車場にあるのだが冬季は閉鎖。代わりに簡易トイレが設置されていた。野営だが比較的キャンパーにも優しい。






 この季節、高ボッチ高原は早朝の雲海が発生し易い気象条件になるのでカメラマン達の人気スポットになっている。もちろん自分の目的も同じだが、まだ2回目の訪問なのでイマイチ勝手が分からない。

 どこに三脚を立てるか、レンズはどれを使うか、翌朝のショータイムを考えながら高原をうろちょろ散策する。








 標高1,600m超えに備えて今日は最も寒い時に使うアウトドアウェアで身を固めて来た。暖房は要らないくらいなのだが、久々に武井301Aに点火。気化して安定した後も突然炎上したりしていたが、3度目ぐらいの着火で落ち着いた。




 夕食は武井の上にコッフェル置いて牡蠣鍋。食器洗いが出来ないので簡単な物で済ます。



それと以前紹介したソロクッカーを使った簡易オーブンで牛モモのローストビーフ。久々にローストビーフ作ったのだが、簡単で美味しくお腹に優しい。これから定番になりそう。



 今日の酒は芋焼酎 黒霧島。


508Aで温めて飲んでいたら突然アルコールバーナーみたいに火が付いた。黒霧島って着火するのね。。。知らなかった。この写真、慌てて撮ったらスーパー日の丸構図になってしまった。。。



軽く酔いつつ21:00早めの就寝。







 翌朝AM4:30起床。氷の様なブーツにつま先を入れる。氷の様なグローブに指を入れる。。。

 外に出たらテントとオリオン座の位置関係が丁度良かったので、何も考えずいつもの露出で撮影。後から写真を確認したらびっくり、月明かりが下から邪魔しているが撮影が難しい冬の天の川が写っている。。。



 オリオン座のベテルギウスが天の川の中にある事をご存じだろうか?とても薄い天の川、肉眼では見えない。あと1時間も早起きすれば、もっと高い位置でクッキリ撮れたのに。。。惜しい事をした。次回はAM3:30に起きよう。

 さて、のんびり星空撮ってる場合では無い。早く三脚立てに行かないと撮影場所が無くなってしまいそうだ。AM4時ごろから沢山のカメラマンが到着し、着々と準備を進めている。見える範囲だけでも50人以上は既に居る。




 たくさんの三脚の間をすり抜けて昨日決めた撮影ポイントに移動。一人分の幅しか無い山沿いの獣道を進む。AM5時02分とりあえずワンショット。富士山が見えているのかどうかはまだ暗くて分からない。

ここで朝日と雲海を待つ。カメラが冷たくて手がかじかむ。時々吹く強い風は頬を刺すようだった。






 長い沈黙の後、ゆっくりショータイム開演。AM5:20 富士山と夜景と諏訪湖の空に日が射して橙から蒼へのグラデーションを作る。「息を飲む」とはこんな景色を前に使う言葉だろうか。




 一枚の写真に入れる光の要素が複雑で面白い。あっちを立てればこっちが立たず、寒さなんて途中で忘れてしまった。釣れない釣りと富士山の撮影はとてもよく似ている。考えても考えても答えは出ない。でも考えずにはいられない。




 刻々と明るくなっていく。少しずつISO感度を下げ、絞っていく。時々突風が吹き、重たいレンズが揺らされてパンフォーカスの邪魔をする。



5:50分。街の気温が上がり雲海が出現。周りで撮っているカメラマン達の歓声が沸く。





 富士山と南アルプスの2ショット。ここから見る富士は普段のエロさがない。人々の様々な生活を反映するような夜景を雲の上から見下ろす、自分が見た中でも最も神々しい富士だと思う。








 富士山の左側に見える八ヶ岳連峰を強い朝日が照らす。隣のグループカメラマン達が話していた。「このグラデーションの色を撮って、アプリでイジってないって言っても誰も信じてくれないよ。」自分もそう思った。





 日が出てしまう前に場所を移動、富士山の反対側には北アルプスが見えるのだ。順光の朝日に照らされた北アルプスも見たい。車で1、2分の第2駐車場へ。






 陣馬形山にも匹敵する景色。こちらにも雲海が出現。槍ヶ岳も穂高岳も御嶽山も美しい。3,000mの壁、多くは語らない。このスケール感を写真や文章で説明するのは不可能だ。











富士山側に戻ったら諏訪の街は完全に雲海の中へ。



ショータイム閉演。AM9:00雲海は少しずつ消えていき、この場所の「単なる普通の日常」に戻る。











 4時間の間、次々と表情を変え続ける、ふもとっぱらや精進湖とは異なる独特な富士山。また同時にダイナミックな北アルプスを眺める事が出来る多彩な風景。まさに高規格キャンプ場ならぬ高規格野営地。

星空も構図と露出をじっくり追い込んでみたかった。師走の高ボッチ高原、今年一番のソロキャンプだった。


■ 高ボッチ高原
〒399-0711 長野県塩尻市大字片丘
  電話:0263-52-0280
http://www.city.shiojiri.lg.jp/kanko/takabocchi.html













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