東古屋キャンプ場 ソロキャンプ

へり

2017年11月09日 22:45

■2017-11-3(金)~4(土)栃木県 塩谷町 東古屋キャンプ場


 東古屋湖はトラウト系アングラーに人気のスポット、巨大な管理釣り場だ。かつては人工的に作られた改良種ヤシオマスを釣る為に何度もここに来た。更に上流に5kmも歩けば東荒川源流域ネイティブトラウト達の穴場だ。













 元栃木県キャンパーの私には県内にいくつかの好きなキャンプ場があるがここはその一つ。最後に行った年を確認したら2004年だった。まだ長男は7歳、次男3歳。ここでタガメやイモリを捕って喜んでいた頃が懐かしい。




 バブル崩壊後に一気に減ったキャンプ場とキャンプ人口。私が子連れでキャンプしていた2000年代前半、このキャンプ場で人と会う事なんて殆ど無かった。

 鬼怒川漁協がおまけで運営しているこのキャンプ場の存在は、趣味として釣りをしていなければ知る術はなかったし、釣りもしないのにここでわざわざキャンプする理由も無かったのだ。

 結婚前に妻を口説く為にドライブしたコースも近く、自分にとって思い出と思い入れのあるキャンプ場なのだが、誰がどうやって宣伝したのだろうか、ウワサ通り2017年の現在とても混んでいる人気キャンプ場になっていた。。。




 しかし多くのキャンプ場とは異なる客層、よく見るとソロキャンパー率が異常に高い。なんだか一人でボケーとしてるおじさん達を見てたら妙な安心感が沸いてきた。久しぶりに来た自分も混ぜて欲しい。


 それぞれの世界を邪魔しない、無駄に話しかけない、無駄に干渉しない。そこそこの距離を確保しつつ小さなソロテントVaude Power Lizardを張る。









 さて、久しぶりに釣りに行こうか。。。と思ったが家の玄関に釣り道具一式忘れてきた。。。(泣)しかもこのキャンプでデビューするハズだった新しい道具 Camp on ParadeのFテーブルも忘れてきてしまった。。。


 仕方がないので久しぶりの東古屋の紅葉を見ながらゆっくり過ごす。キャンプ場から湖を眺めると午前も午後も常に逆光で、紅葉の鮮やかさを写真では上手く表現できなかったが実際にはとても綺麗だった。写真には向かないが、常に日当たりが良いキャンプ場とも言える。

















 塩谷町の到る所には放射性廃棄物最終処分場の建設に反対する看板が立てられている。このキャンプ場の周りにも。その必用性や安全性、ここが建設に最適な土地なのかどうか難しい事は分からない。でもどこかに建設しなければならないのだろうと、この時はぼんやり思っていた。








 夕方キャンプ場から約20km離れた温泉「川霧の湯」に行く。地元で有名な源泉かけ流し温泉。たしか内湯しか無い地味な温泉だったハズなのだが、リニューアルされて小奇麗な温泉に変わっていた。(入浴料700円 16時以降500円)










 帰りにおじいちゃんのオーナーに「久しぶりに来たんですけどリニューアルされたんですね。」と聞いたら、「この辺りの温泉は震災でめちゃめちゃになったんだよ。」との事。。。塩谷町の多くの温泉はメタンガスが出てしまい廃業されたとの事で、ちょっとショッキングな返答だった。


 廃棄物処分場といい、温泉といい、なんて震災の影響を多く受けた場所なのだろう。







キャンプ場に戻り、満月の夜を過ごす。





















 翌朝



















 朝食後、東古屋湖の上流約5kmをトレッキング。私はこの川の源流域でフライフィッシングを覚えた。もう禁漁期間だが、懐かしい渓流を歩きたくなったのだ。渓相は当時のままだろうか。












しばらく歩いたらこの看板が。。。



 廃棄物処分場建設予定地は、私が釣りを覚えたあの源流域だったのだ。美しいイワナが住む川と渓相はそのまま維持できるのだろうか?

 道志キャンパーの皆さんには山伏キャンプ場の上流に廃棄物処分場ができたらどうなるのか想像してみて欲しい。どんなに安全性が保障されていたとしても、その道志川で子供を泳がせるだろうか、そこで釣りをするだろうか。


 風評被害は避けられないと考えられる。自分の思い入れの強い場所が荒らされた様な気分になった。










 帰りは妻と何度もドライブした思い出の道路を走り、旧栗山村へ。ちょっと距離的には遠いが、昨日メタンガスで廃業した温泉の話を聞いてちょっと心配になってしまったのだ。

























 私が栃木で最も好きな温泉、栗山温泉「四季の湯」源泉かけ流し加温も一切無く、しかも湯元直下。あの温泉は無事だろうか。久しぶりにここの硫黄の匂いを嗅ぐ。湯質も全く変わらないまま。四季の湯に一人で行ったって言ったらカミさん怒るだろうなぁ。







 以前から塩谷町の状況や置かれた立場については知っていたが、ピンポイントでその場所だった現場を目の当たりして、大きな衝撃を受ける事になった。

 初心者アングラーの当時の私が、この渓流で最初の一尾を釣るのに2年かかった。でもその2年間の葛藤は自分にとってかけがえのない物となっている。

 ・1時間幸せになりたいなら、酒を飲みなさい。
 ・3日間幸せになりたいなら、結婚しなさい。
 ・ 一生幸せになりたいなら、釣りをしなさい。

 震災から逃れたもの、逃れられなかったものが入り乱れ、6年経った今でもその影響は計り知れない事を改めて知る事になった。


どうか釣りを覚えた思い出の渓流とネイティブトラウト達をそっとしておいて欲しい。








 ■東古屋キャンプ場
  栃木県塩谷郡 塩谷町上寺島
  Tel 0287-47-1150
  http://www.kinugawa-gyokyou.com/higasigoyako/index.html


 ■川霧の湯
  栃木県塩谷郡塩谷町船生6978
  0287-47-1037
  https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=15663


 ■栗山温泉 四季の湯
  栃木県日光市黒部21
  0288-97-1500
  http://www.shikinoyu.com/













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