Apple Mac Pro 改造記 その②

へり

2022年02月28日 06:55

 前回記事ヤフオクで入手した格安Mac Proの筐体を使って、最新仕様の自作PCに改造する為の下準備を記載していく。





1、マザーボードと拡張スロット取付位置の改造

 Macのオリジナルマザーボードが固定されていたネジ位置は自作PC用マザーボードの固定位置と合わないので、まずはここを改造していく。


 このネジ穴をハンマーを使って折っていく。叩くと簡単に外すことができる。



  ここにPC用マザーボードを固定しなければならないが、PC/AT互換機のケースから必要な部分を切り取って貼り付ける事にした。そんなわけでAmazonで売っていた最も安価なMicroATX用のPCケースを購入(汗)




 このケースにそのままマザーボード組めばいいのに。。。という声は置いといて、このケースからマザーボードパネルと拡張スロットパネルを流用する。ケースのリベットをばらし、不要な部分をリューターでカットしていく。リベットを破壊した為、再組立てできなくなり、この時点で後戻り出来なくなった。






 Mac Proは後ろ側も美しくデザインされているが、大胆にリューターでカットする。そもそも拡張スロット数が5個で、ATX(7個)規格にもMicro ATX(4個)規格にも合わせる事が出来ない。ここだけ見てもMacの特殊性がお分かり頂けるだろう。



 Mac Proの筐体はかなりの板厚なのだが、アルミなので簡単にカットできる。マザーボードパネルは鉄チンなのでかなりの重労働だった。ちなみに金属切断用のカットオフホイルはこの制作で様々なメーカーのものを試したが、ドレメル純正のものが一番切断力があり耐久性もよかった。




 Macの筐体にマザーパネルと拡張スロットパネルを取り付けた図。可能な限りケースの下にセットしないと後から取り付けるHDDとマザーボードが干渉する。


 パンチングの穴を利用してM3のボルト/ナットで固定した。ボルトが入らない箇所はエポキシ系の接着剤で固定している。



 文章にしてしまうと簡単に見えてしまうが、筐体とマザーの位置を合わせたり、切断や固定を修正したり、金属切断と接着はかなり大変な作業で丸3日ほどトライ&エラーを繰り返している。



2、電源の配置

 元々の電源は化粧カバーが付いており、ケースにセットした時に一体感が出るようにデザインされている。化粧カバーを使わずに組むなら適当にケースに穴開けてPC用の電源をねじ止めすればいい。しかし、せっかくのMac筐体なのでデザイン性を失いたくない。




  どうするか軽く悩んだが、MACの電源の中身を取り出しハウジングだけ流用する事にした。ハウジングをカットしPC用の電源が入るようにリューターでカット。

※PC用の電源には大容量のキャパシターが入っており、コンセントを外していても感電する恐れがあります。電源を分解する人は十分に注意して下さい。自己責任でお願いします。



 PC用電源は80 PLUS GOLDの750Wである「玄人志向KRPW-GK750W/90+」を選択、事前に固定用のM3×30mmのスペーサーを取り付ける。






 100Vコネクタは元々Macに付いていたものを流用し、PC用電源コードと半田付け+絶縁処理を行う。




 カットして中身を取り除いたMacの電源ハウジングにPC用電源を入れる。



 外側からM3のボルトとワシャーで固定。



 完成図。通常電源のファンはケースの下に向けてセットするが、Macケースの下にスペースが無いので上向きにセットした。



 これで外観上は何も変わらないまま、PC用ATX規格の電源を設置する事ができた。






3、電源スイッチ、LEDランプの改造

 さて、次に待ち受ける難関は電源スイッチとLEDである。とても面倒なので汎用品のφ16mm丸形スイッチに変えてしまえばよいのだが、Mac Proの電源スイッチは、押した時のストロークの少なさ、かっちり感、デザイン性とかなり優れているというか気に入っている。またLEDは汎用的なものに比べて小さく、ジェントルな明かりだ。是非このまま流用したい。



 このスイッチの裏側がこうなっている。


 ボタンの裏側はφ1mmにも満たない細い3本の線が小さなコネクタを経由して基板に刺さっている。テスターで調べたところ配列は奥がPW SW+、中央がアース、手前がLED。



 通常のPCはPW SW 2極、LED 2極の計4極なのだが、この半田を剥がしてPC用の電線を再半田するのは非常に難易度が高そうなので、その右側にある黒いコネクタから配線を接続する事にした。


 このコネクタにはPW SW+、LED-、アース以外に+5V、+3.3V、+12Vが来ていたが、LEDに使われていた電源は+5V。という事で、「PW SW+ 」「GND」 「LED-」 「+5V(LED+)」の赤文字の計4回路をマザーボード側に接続する。

 +12Vや+3.3Vの白文字の回路はおそらくフロントUSBへの給電に使われるものと思われるが、この後USB端子は破壊するので未接続とした。


  もともとMACに付いていたコネクタに、PCケースに付属していた電線と端子を半田付けしてマザーボードに接続できるようにした。



 

 
  



4、フロントUSBの改造

 もともと基板についていたUSB 2.0とFirewireはペンチでむしり取って、USB3.2のメスケーブルとUSB-Cの変換コネクタをエポキシ系接着剤で固定。一番右側のFirewireはそのまま残しているが、将来のThunderbolt4もしくはUSB4の為に温存しておく。

 現在Thunderbolt4(40Gbps)の拡張カードは非常に高価で、使い道も無いのでイマイチPCに組み込むモチベーションが上がらない。かつてのFirewireのように市場から無視されない事を祈るばかりである。




 ヘッドホンジャックはリヤパネルについている為、フロントはまだ接続していないが、電線がちょー細くて配列調べるのも面倒なので後回しに。

 最終的なフロントUSB基盤の状態。



 電源ラインとフロント基盤のラインを組み込んだ図。やっとPCパーツが組める前段取りが完了。




 これでとりあえずMac ProがPCケースとして使えるようになった。ブログだと簡単に見えると思うが、金属の切断にリューターの歯はどれを使えば良いかとか、固定ネジをM3とM4にどっちにするかとか、ケーブル買ったのに長さが足りないとか、、、試行錯誤の連続でなんだかんだ2週間は作業場であるガレージに籠っていたと思う。


 次回記事では、このケースに自作PCパーツを組み込んでいく。Intel 12世代目の Alder lake LGA1700。久々の自作PCの組み換えであり、パーツ選びは、それはそれは楽しかった。 その③に続く








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