Apple Mac Pro 改造記 その③ 完結編

へり

2022年03月02日 20:58

 自作PC用パーツが組めるようにMac Proのケースを改造した前回記事、このケースにWindows用のPCパーツを組み込んでいく。




今回購入したPCパーツ






CPU

 IntelのCPUは11世代までAMD Ryzenの処理速度にかなわなかったが、2021年末に発表された12世代目のチップセットで久々にAMDを逆転、Intel優位になった。11世代目よりも発熱が少なくなっているとの情報も多く、Intel12世代目のLGA1700 Alder lakeを選択する。

 Core-i5にするかCore-i7にするかCore-i9にするか。数年振りにPC買い替えるんだから処理速度最速のCore-i9を使いたいところだが、いかんせん価格が高い。。。12世代目で評価が高いのはCore-i5だ。処理速度と価格のバランスが良く、11世代目のCore-i9並みの性能になっている。

i5、i9、i5、i9。。。1ヶ月以上迷っただろうか。両者選びきれず結局買ったのは真ん中の中途半端なCore-i7(汗)



Intel Corei7 12700K 3.6GHz( 最大 5.0GHz ) 第12世代 LGA 1700 Alder lake
Pコア8+Eコア4 TOTAL12コア20スレッド







マザーボード

 マザーは改造したMacケースに合わせてMicroATX規格のマザーボードを選ぶ。LGA1700 B660のチップセットの中から各社マザーボードの機能を調査する。あの機能が付いてるマザーにはこれが付いてない等々、選ぶのが難しく、そして楽しい。

 Windows95時代から自作PCを組んでいる私は、信頼しているマザーボードのメーカーと言えばASUSかGIGABYTEだ。何年も使って不具合が少ないので今回もこの2社の製品を比較した。


 予算との兼ね合いから候補になったのはASUS PRIME B660M-A D4GIGABYTE B660M DS3H AX DDR4


 いずれも2万円を切る価格帯で、GIGABYTEにはWi-Fi 6(11ax)と2.5G LANが付いているのが特徴だ。一方でPCI-Express16Xが1本、1Xが2本と少々拡張性が頼りない。

 ASUSはWi-Fi 6が付いておらず、LANも従来の1G LANだ。しかし、PCI-Express 16Xが3本付いており拡張性が期待できる。

 結果的に拡張ボード無しでWi-Fi 6と2.5GLANが将来の自宅LAN環境の為にも魅力的であり、GIGABYTE DS3H AX DDR4を選択した。









CPUの冷却について

 簡易水冷で組んだことが無いので興味があるのだが、空冷を選択した。理由は簡単、水冷用の冷却ファンがうるさいから。遅いPCは嫌いだが、うるさいPCはもっと嫌い。リビングで使うので尚更。

 しかし冷やさないとクロック周波数を上げてくれないという特性があるので、状況を見て今後も冷却部品の検討は続けて行きたい。

 現状LGA1700のマウントが標準で付いている空冷クーラーは非常に少なく、静穏性重視でサイズの新作 FUMA2 Rev.B SCFM-2100を選んだ。




 私は以前からクーラーもケースファンもサイズの製品を使っているが、静穏性能はとても満足している。クーラーは余り迷う事なくサイズの製品を選んだ。




SSD
 Windows7時代に買ったS-ATA接続のSSDをこの10年間使って来たが、今回自身初となるM.2スロットNVMe PCIe Gen4x4のSSDを導入する。

 SSDは、今までCrucialの製品を使って来たが、HDDと比較しても壊れやすい印象を持っている。HDDが壊れる時は異音や転送時の乱れなど、なんだかの兆候があるが、経験的にSSDはある時突然逝ってしまうので、原因がマザーなのかメモリなのかCPUなのかを特定しづらい。

 この10年で5個中2個のSSDが故障しているので、Crucialを避けて初めてのメーカーを買ってみる事にした。



 選んだメーカーはADATA。製品は GAMMIX S70 BLADE AGAMMIX70B-1T-CS(M.2 Type2280)容量1Tの割には安価で、読込速度が7400MB/s、書込速度5500MB/sという速度がポイントだった。最低でも5年くらいは持ってほしい。

今回このSSDへの期待は大きく、組み立て後にCrystalDiskMark8で転送速度をチェックしてみたが、ほぼほぼ公称通りの性能は出ているようだ。






メモリ

 Alder lake LGA1700はDDR5のメモリがサポートされたのが特徴の一つだが、マザーボードによっては従来のDDR4を使える仕様になっている。上記で選んだGIGABYTEのマザーボードはDDR4対応。

 Web上のベンチマーク結果を見ていると、DDR4とDDR5にそれほどの差が無く(まだハードとソフトがDDR5をうまく使いこなせていない印象)

 この記事を書いている時点では半導体不足の影響でDDR5の供給が追いついておらず、高価なので上記DDR4を使えるマザーを選んだ。

 メモリは今回SSDと同じ理由で初めてのADATA製品を選択




 このマザーに積めるメモリの限界は128GB。メモリは限界まで積む派なのだが、今回初めて購入するメーカーなのでマザーとの相性問題が心配でやや躊躇し、半分の64GBだけ買ってみた。
 ADATA3200732G16A-DCBK20(DDR4 PC4-25600 32G)×2枚 Total 64GB

現在半導体不足で値段が不安定なので、安定してきたら残り64GB分を買い足したい。






HDD
HDDは新調せず、これまで使って来たSEAGATEの8TWESTERN DIGITALの3Tを使う。OS起動ドライブには上記M.2スロットのSSDを使用するが、8Tと3TのHDDは動画、音楽、写真ファイルの保管用。




 実質的な転送速度は150MB/s程度であり、他のパーツの転送速度が速いだけに、完全にこのPCのボトルネックになっており、8Tのファイルバックアップは一晩でも終わらなかった。







ブルーレイドライブ

 このPC制作で唯一、何も改造無しで積む事ができたのが5インチベイのドライブ。映画も音楽もサブスクサービス全盛、PCデータもクラウド保存が全盛の昨今、はっきり言って光メディアなんて使う機会は無い。

 しかし一応手持ちで持っていたのでパイオニアのブルーレイドライブをセットしておいた。


 ちなみに4K UHD BDの再生はIntelチップセットに実装されていた「Intel SGX」という機能が必要だが、11世代以降セキュリティ対策でチップセットから廃止された。

 もう2度とPCで4K UHD BDを再生できる日は来ないと思う。(DVD Fab等の違法ソフトはあるが。。。)これも時代の流れなのだと感じる。VHSビデオが無くなったように、カセットテープが無くなったように、DVD/ブルーレイもまた無くなっていくものと思われる。




グラフィックボード
  グラフィックボードも昨今の半導体不足で最新のハイエンドミラーレスカメラが買えるほど高額なので、当面増設の予定は無く、Core-i7のCPU内蔵グラフィックを使って行く。

 最近は個人的にもエンコードなどの処理を殆ど行わなくなったし、PCでゲームするわけでもないのでNVIDIAのCUDAに頼る必要も無くなった。

 写真編集ソフトがCUDAを使うような日が来れば考えるかも知れないが、現状はDPP4もLight roomも殆どグラフィックカードに負荷を掛けない。



ケースファン
 Mac Proオリジナルのファンハウジングは120mmファンをぴったり入れる事ができ、ネジ穴も汎用品と一致している。元々付いていたMacの純正ファンはやたらうるさいので、サイズの120mm静穏ファンに入れ替えた。










上記パーツをMacケースに組んでいく。




サイズのファンに換装した、ファンハウジングをセット。


元のMac Proの設計通り、空気の流れはフロントからリヤに向かう典型的なサイドフローの循環になる。

そしてついに。。。エアフローの化粧カバーをセットして完成!

もともとメモリーボードが収納されていたところに大きなCPUクーラーがギリギリ入った。裏側はメモリやマザーボードのヒートシンクと干渉するので化粧カバーも若干カットしている。



 リンゴマークがApple信者の心を満たすだろうが中身は完全なWindows。私は天才デザイナー、ジョナサン・アイブのデザインに敬意を払い、正月の長期連休を利用して内部デザインまで崩さずに完璧に再現した。満足度は非常に高い!









 完成したMac Pro改+Windows11。左側のPCは主に動画、写真編集で使う為、カメラを保管してある防湿庫の直上にレイアウトしてあり、カメラのバッテリー充電及び、撮影から帰宅した後の写真編集が一歩も動かず出来る動線になっている。

 右側PCはホームシアター用で、ハイレゾ音楽ファイルをネットワーク出力、映画ファイルをHDMI経由でAVアンプに出力できる構成にしてあり、TV録画機能付き。我が家は一般家電の機能をデスクトップPCに依存するスタイルとなっている。






 スマホがあればPCはいらない。という方も多いだろうがDOLBY ATMOS 7.1.4chのサラウンドをデスクトップPCを起点に組んでいるため、我が家では重要なオーディオ製品の一部なのである。

 

 新しい12世代目のInterl Alder Lakeのチップセットが発売されたタイミングで、オールドなMac Proのケースにしたくなったのもきっと何かの縁だろう。2台のMac Proを同時並行で改造し、(片方は第3世代のIvy blige Core-i7)リビングには2台のジョナサン・アイブ製品が並ぶ。

 今後も中身のパーツはバージョンアップを繰り返すだろうが、おそらくMACケースは末永く使って行く事になると思う。


 OSとしては使い慣れているWindowsをインストールしたが、PC用パーツで組んでもMAC OSをインストールできる裏技もWeb上にはあるようだ。一度買ったら殆どアップグレード出来ないMacユーザーにとっても自作PCの知識さえあればHackintoshは有効な方法だと思うのである。


最後に、このMac Proを改造する為に、参考にした海外のコアなYoutube動画を紹介して締めとしたい。




Mac Pro改造記(完) さて、写真と動画を撮りに外に出よう。。。
























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