性能確認:OLYMPUS STYLUS TG-4

へり

2016年04月03日 22:23

先日購入したコンデジOLYMPUS STYLUS TG-4。今後はこのカメラを使って写真を上げる事も多くなると思うので、一応の性能を把握する為にいろいろ試してみた。




ISO感度別の画質確認
 まずは2015年に発売されたこのカメラのISO感度はどこまで使い物になるのか実験してみた。設定可能なISO感度は100~6400と幅広い。しかしISO 6400が使い物になるカメラは一眼レフでもそうは多くない。

 新しいカメラを購入した時、自分が許せるISO感度のノイズ状態を把握しておく事はとても重要だと思う。自動選択にしてカメラ任せにしてしまうと、暗ければ暗いほど、また絞れば絞るほどノイズの多い写真になってしまうから、いい塩梅を把握しておきたい。

写真として保存する為ではなく、あくまでもブログで使う前提で考えてみた。


桜の木にランタンをぶら下げてISO感度別に撮影。ISO感度だけをマニュアルにしてその他はカメラ任せ、ノイズの状態を確認する。下記の写真はJPEG撮影でサイズ変更しただけ、一切の補正無しである。


TG-4  ISO800




TG-4  ISO1600




TG-4  ISO3200




TG-4  ISO6400




ノイズが何処まで見えるかは、このブログを見ているPCモニターやスマホ/タブレットの液晶性能で異なるので、読者側の環境で千差万別だが、個人的にはISO 3200は許せるレベル、6400は画像も粒上になり、写真のクリア感が無くなる印象。でもカラーノイズが目立つわけでもなく中々見れるのでは無いだろうか。

普段は避けるにしても最悪ケースでは6400まで使っちゃおうかな、というレベル。正直使えるのはISO1600程度だろうと思っていたので、自分の予想よりもかなり良く、デジカメの進化に驚いてしまった。

高ISO感度性能に関しては5年程前の一眼レフカメラよりもよっぽど良い画質では無いだろうか。


しかしこの写真は空間に奥行きがあり背景も白っぽいので実はノイズが目立ちにくい写真。ノイズが目立ちやすい状態を意図的に作って撮影してみる。

TG-4  ISO100




TG-4  ISO3200




TG-4  ISO6400



周りは薄暗く、もう三脚が無ければフラッシュ無しでは撮影できない環境。テーブルの木目とパンチング加工された鉄板が違いを理解しやすい。ISO100で保っている質感はISO3200でノイズ感が増し、6400で完全に輪郭を失う。カラーノイズが目立たないのは凄い事だけど、状況によって6400は使えないレベルだと思っていた方がよさそうだ。






被写界深度の確認
次にこのカメラの特徴であるF2.0とはどれほどのボケが作れるのか。F2.0/F2.8/F8.0で同じ被写体を撮影し試してみた。(広角側25mmだと3種類のF値しか選択できない。)

OLYMPUS TG-4 F2.0 SS:1/500 ISO100



OLYMPUS TG-4 F2.8 SS:1/400 ISO100



OLYMPUS TG-4 F8.0 SS:1/80 ISO100



 開放でも絞っても余り大差が無い。ボケを作るのは2つの被写体に相当な距離が必要で、絞りによる意図的なボケの表現はほぼ不可能だ。

 しかしボケないからと言ってF2.0に価値が無いわけでは無い。F値を下げられるという事はシャッター速度が早く出来(手振れ防止)、ISO感度も下げられる(ノイズ防止)という事なので、暗い場所での撮影にはそれなりの恩恵があるだろう。

 ちなみにフルサイズ一眼を使ったボケの作例。同じ条件であるF2.8で撮影すると後ろのランタンは完全にボケてしまう。

Canon 5D Mk3+EF24-70mm F2.8L F2.8  SS:1/1000 ISO100



一眼レフのF2.8とコンデジのF2.8は全くの別物。当たり前の事だが、こんなにも差がある事を把握しておくのは今後の撮影にも役に立つ。F値によるボケの変化が少ないと言う事はパンフォーカス写真を撮りたい時でも絞りを開けられるという事でもある。


焦点距離
 ノーマルでは25mm-100mmのズーム範囲で撮影できるが、キャンプやアウトドアで使うならもう少し広角側が欲しい。個人的にも広角撮影が好きなのでオプションのコンバージョンレンズも追加購入した。これで18.5mmの広角撮影が可能になる。数字にするとたった6.5mm程の追加だが、実際の画角はかなり異なるものになる。

ちなみにAPS-Cの一眼レフカメラに換算すると11.5mm相当なのでかなりの魚眼だ。レンズの収差を楽しむ撮影ができる。

広角コンバージョンレンズを付けたTG-4。コンデジらしからぬ外観になる。レンズを付ける為には、別途マウントアダプターも必要。



こんな具合
ノーマルの広角側 25mm。まあなんとなくコールマンのスチールベルトの写真。




コンバージョンレンズを付けた18.5mmで寄るとこんな具合。結構な迫力が出る。写真の周辺も極端に暗くなってしまうことも、流れてしまう事もなく十分な実用範囲。





マクロ機能
マクロはかなり寄れる。近所の桜のドアップ。これぐらいだとピントも合わせやすい。




 更に寄ると桜の花びらに止まっている小指の爪よりも小さなヤブ蚊。こんな題材で申し訳ないが、透明な羽も触覚も尾の形も肉眼では確認できない物までしっかり描画する。写真は実物の14倍程度。顕微鏡モードというのが付いており実物の44倍まで拡大できるのだが、風に揺れる蚊にピント合わせるのは手持ちではこれぐらいが限界だった。






実験による自分の理解をまとめると

・高ISO感度は3200まで。6400はできるだけ使わない。
・絞り開放F2.0はボケは作れないが高速SSと低ISO感度を維持する目的で役に立つ
・ボケが無いので本来絞って撮影するような被写体でも絞り開放で撮影可能
・広角コンバージョンレンズは周辺減光も少なく十分な実用範囲
・マクロ機能も相当の拡大率でこちらも十分な実用範囲


という事で「物は使いよう」このカメラに適したシチュエーションと被写体にキャンプ場で出会えることを楽しみにしている。ちなみに購入してから知ったのだが このカメラ、ピントを無限遠∞に固定できる憎い機能が付いている。アウトドアで人は何を撮るのか、エンジニア達は相当に考えたと思われるが、実際に絵を撮ることが出来たら改めて紹介したい。


さて、ぐだぐだ御託を語るのはここまでにして、キャンプ場に行こうか。








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