多くのプロカメラマンやハイエンドユーザーが居てカメラの個人的な評価をブログ記事にするのは躊躇するのだが、もう
5D4を使い始めて8ヶ月が経つ。キャンプ写真を撮影する事に限定してこのカメラをレビューしたい。
このカメラの発売は2016年9月8日。発売当初は価格が高くなった事だけがWeb上で話題にされたが当初の価格は42万円。まもなく発売1年になるが、この記事を書いている2017年8月は32万円前半と一年間で約10万円値が下がり買いやすくなった。私は1月に33万円台で購入しているので、この8ヶ月間殆ど値は動いていないことになる。
■操作性
各種ボタンの配置は5D3同等。もうこれ以上変えようが無いし、変えたら既存ユーザーから苦情が出るだろう。
Canonのハイエンド機の操作系は、もう5D3で確立された感がある。私はボタンの細かい角度や間隔、硬さのフィーリングも含めてもう二度と変えないで欲しいと思っているユーザーの一人。
5D4にはシリーズ初のタッチスクリーンが採用され、各種設定は液晶画面タッチで変えられるようにもなっているが、当然液晶を操作する為にはファインダーから顔を離さなければならない。ということで、ファインダー覗いてる時はボタン操作、ライブビュー撮影する時は液晶タッチ操作という使い方になっている。
5D3からの操作系唯一の変化点、5D4に追加された測距エリア選択ボタン。結果的にこのボタンはいろいろ試した上で、「ISO感度」を割り当てている。私の撮影は絞り優先オート+ISOオートでの撮影が多いのだが、ISOオート時でもISO感度を一時的にマニュアル操作する事ができる。測距エリア選択は5D3と同じ2ボタン操作で変更可能だ。
Wi-Fi機能が非常に便利。スマホアプリのCanon Camera Connetからカメラの操作が出来るようになった。この機能があれば液晶のバリアングルモニターは不要だと思う。
フォーカス方式が「TTL二次結像位相差検出」から「 Dピクセル COMSAF」になった為、ライブビューでのフォーカスが爆速になった。これを体験すると二度と5D3には戻れない。やっと5Dシリーズもまともにライブビューが使えるようになった。
■画質
ISO100での輪郭は5D3よりもシャープになったと思う。しかしエッジが立ち過ぎた不自然な絵じゃない。色相については反感を恐れず言えば5D1~5D3は「派手な色」だったのに5D4は「地味な色」になった。
現実的で階調が豊かになり、色再現性に優れた代わりに赤味が減って「平凡な色」になったと感じる。また暗所が黒く潰れない分コントラストが下がったような錯覚をする。最初は凄く不満だった。
測光方式が5D3の「63分割TTL開放測光」から「15万画素RGB+IR測光」に変化した影響なのかどうか技術的な事はよく分からない。 でも最近このカメラが作るリアルな色を好きになりつつある。(以下EXIFデータ残しておきます。写真は全てJpeg撮影でサイズ変更のみ、一切のレタッチしていません。)
5D4+EF24-70mm F2.8L USM F9 SS1/400 ISO100 EV補正-1
そして5D3からの大きな変化点である高画素化。2230万画素から3040万画素に大幅に高画素化された。5Dsを高画素機にしたのだから5D4は高画素化しないで欲しかった。高画素にするぐらいだったらISO感度ノイズ耐性や連射性能を上げて欲しい。
しかし昨今SONYのα99Ⅱが4240万画素、3年前に発売されたNIKONのD810でさえ3635万画素だから追従しない訳にも行かなかったのだろう。
もはや女性の顔を絞って撮ったら顔の毛穴が数えられるレベル。高画素がいかに無駄であるかよく分かる写真がある。ほったらかしキャンプ場から見える富士山とシンメトリーな夜景のベタな写真。これがピクセル等倍に拡大すると全く夜景に見えない。
5D4+EF24-70mm F2.8L USM F8 SS10秒 ISO1600
1/1で切り出した写真がこちら。たんなる夜の街だ。
私は46歳の今も視力左右とも1.3をキープしているのだが、既に肉眼では確認不可能なものまで解像している現在のカメラ性能。
撮影意図は見えている物の中から生まれるのだ。見えていない物が写ることに何の意味があるのだろうか?プリントサイズも既にA2に耐えられるだろう。
高画素化の唯一のメリットはトリミング耐性が上がった事。5D3から5D4に変えて、適当に撮って後からトリミングしているケースが多くなった気もする。
■ISO感度耐性
そしてもっともっと進化して欲しい高ISO感度のノイズ低減。ISO感度を上げると、一般的にカラーノイズが増え、輪郭が潰れていく。5D2から5D3にモデルチェンジした時は一段分進化したとハッキリ言えた。しかし5D3に対して5D4が何段分進化したかを感想として答えるのは難しい。
ISO感度の進化に「①カラーノイズ減少」「②輪郭の維持」と2つの進化が必要だとするならば、①は圧倒的に進化した。②はそれほど違わない。カラーノイズを目立たなくする技術が進化した印象で、ディティールの維持は5D3並に思える。
そして、このカラーノイズが目立たない感度が凄い。拡張感度のISO 102,400でさえ目立たないのだ。このブログでは写真サイズを720pix × 480pixに縮小しているが、ブログ写真なら102,400使っちゃおうかなぁとも思える進化である。
保存用の写真ならISO12,800まで。被写体によってはISO32,000も使えるレベルだ。
5D4:ISO6400
5D4:ISO12800
5D4:ISO25600
5D4:ISO51200
5D4:ISO102400
このブログをスマホやノートPCで見ている方には違いが分からないと思う。参考に同じシチュエーションで撮った5D3の写真。
5D3:ISO6400
5D3:ISO12800
5D3:ISO25600
5D3:ISO51200
5D3:ISO102400
今見ても5D3は素晴らしいノイズ耐性だった。
■ボケ味
たぶんカメラ本体よりもレンズの方が支配的だと思うが、絞りによる玉ボケの変化を参考まで。
5D4+EF24-70mm F2.8L USM F2.8 SS1秒 ISO2000
5D4+EF24-70mm F2.8L USM F5.0 SS2秒 ISO2000
5D4+EF24-70mm F2.8L USM F8.0 SS8秒 ISO2000
■その他
①シャッター音は5D3が金属音に近いメカニカルな音に対して、5D4は低いジェントルな音。TOP3枚の写真は5D3で撮っているのだが、久々に5D3の音を聞いてしびれた。たぶん自分は5D3の音が好きなんだと思う。
②INFOボタンを押すと表示される液晶画面の水準器。5D3はAFしたら消えたのに、5D4は再びINFOボタンを押さないと消えない。
③ファインダー内水準器がAFした時だけ赤く光る仕様で、暗闇や黒い被写体を撮る時に見えない。この②と③が現時点大変なストレス。なんとかファームアップで改善できないだろうか。5D3と同じ挙動にしてほしい。
④新機能としてデュアルピクセル情報を活用した「解像感補正」「ボケのシフト」「ゴースト低減」が付いたが、その調整幅は非常に狭く、使う事は無いと思う。従ってDPRAWは使っていない。
⑤連射は最大約7枚/秒だが、DPRAW時は5枚、フリッカー低減時6.6枚、LVでサーボAF使用時4.3枚等、あれを使うと遅くなるというような設定が多く把握しきれない。
⑥ついに5Dシリーズにもインターバルタイマー機能が付いた。しかし連続撮影に制限あり、SS30秒だと撮影間隔30秒が必要になり、星の軌跡を撮ったりする事が出来ない。従って5D4でもレリーズは必要だ。
8ヶ月も使用した後なので細かい不満を記載してしまったが、もちろんバランス機として満足している。新しいカメラの性能進化に感動する一方で半年も撮ったら直ぐに飽きてしまう現実があり、もはや東京五輪前後に発売されるであろう5D Mark5の発売に期待してしまう。しつこいがもう画素は3040万でいい。ISO耐性が進化した5D3の感動を再び下さい。
それとCanonに殺到しているであろう多くの意見は私も同じ。5D5は、5D3と同じ価格に戻して欲しい。
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