人生初のソロテントを買った。これで名実共にソロキャンパーになった。
ソロキャンプを初めて丸1年、ソロテントを購入せずにファミリーテントを流用してソロキャンプを行ってきた。広い空間を広く使え、結露も少なく、ミニバンで道具を運ぶようなキャンプにはソロテントの必要性を感じなくなっていたのだが、先日三浦海岸での野営をきっかけにザックに入るテントが欲しくなった。
設営スペースの少ない三浦海岸、しかし駐車ポイントから、2kmも歩けば、いくらでもテントを張れる場所はある。そんな場所には人も居ない。
徒歩で移動できる装備を揃えておけば、電車や船、飛行機での移動も視野に入り、海外ソロなども可能でソロキャンプの幅が広がると考えたのである。
購入したのはドイツのアウトドアメーカー、
ファウデのパワーリザードSUL 1-2Pである。
1st インプレッション Vaude Power Lizard SUL 1-2P
■収納状態と重量
メーカースペックは35×14cmだが、収納袋にはなぜか35×10cmと小さめの記載あり、実際は36×15cm程度。スペックより実物はわずかに大きいが、ぎちぎちのザックに入れたらスペック通りになるかも知れない。
Soyokazefufu旦那様が「大根の様だ」と表現していたが、まさにそれである。スーパーで買い物をすると大根だけレジ袋に入れ辛いが、これをどの様にザックに収納するかは一考が必要だろう。
重量はメーカースペック1,160gだが、収納袋を含むテント905g リペアパイプを含むポール212g ペグ48g、TOTAL1,165gとほぼスペック通り。ちなみに写真の大根は1,870g。このテントがいかに軽いかお分かりいただけるだろう。
この写真を撮る為に大根とテントとカメラを小脇に抱えて近所の公園に行ったのだが、一体何がしたい人なのか、野球少年達とその保護者から相当に怪しいおっさんだと思われていたのは間違い無い。「ペットボトルの様だ」と彼が言ってくれていたなら辱めも受けずに済んだだろう。
■ポール構成
ワンポールトンネルテントだが、ポールはアルミΦ7.5mm×295cm。テントのサイドを立ち上げる為のサブフレームが2本あり、実質的には3ポール。このサブフレームの長さが53cmあり、このテント購入の最大の決め手になった。理由は後述。
■付属ペグ
付属のペグは針の様な細いペグ。なんとΦ3mm。銅ヘッドハンマーで叩いたら一発で曲げてしまう。重量スペックを軽量化する為だけに設定されたものだと推測する。登山でもない限り、他のペグに変えた方がいい。テントの最小自立ペグ本数は6本。ガイロープも含めた最大本数は10本。付属されるペグは8本。MAX本数を付属しないところに相当軽量化したかった思想が伺える。
■テント
インナーテントは吊り下げ式で最初からアウターフライに取り付けられている。長方形に見えるが、実際に手前と奥のインナーの幅は異なり、台形形状になっている。
インナーは取り外すこともでき、アウターだけで設営する事も可能。しかし元に戻す時にはインナーとアウターの台形形状20cmの幅の違いに注意しなければならない。
■設営
日を変えて。。。田代運動公園から数Km離れた野営地で初の試し張り。(7年振りに来たけど、ここもだいぶ散らかりましたね。どうなってんの?最近のキャンパー??)
非自立式のテントだが、設営は非常に簡単。センターポールの両端をビルディングテープのリングに挿入して、フライをフックでぶら下げ、サイドポールを挿入してペグダウンするだけ。
ガイロープは全て針金のような細い素材で形状が作れるほど固い。そこまでして軽量化する拘りが凄い。
テント側面。サイドポールとその針金の様なガイロープを止める為の特殊な自在。
ガイロープは購入時にテントに結ばれている。ノルディスクのテントは適当な団子結びなので一旦ほどいて結び直さなければならないが、VAUDEは最初からもやい結びで結ばれており、小さなポイントだが好感が持てる。
フライを固定するフック。赤い部分が可動式になっており、外しやすい。
アウターフライはポリアミド20D、両面3層シリコンコーティングで耐水圧3,000mm。スケスケ軽量化仕様だが、
公式サイトには 寿命を20%伸ばし、PUコーティングの8倍に相当する8-11kgの引き裂き強度があるとの記載あり。長いキャンプ経験、どのテントとは言わないが、これまでPUコーティングには散々泣かされてきた。この3層シリコンなんちゃらが、どうか加水分解に強い素材でありますように。
■前室
このテント、前室が面白い!なんと前室の広さを調整できるのであった。ビルディングテープ上のインナーテントをスライドできる構造になっている。普通に設営してインナーとアウターの距離はSOTOの小型テーブル フィールドホッパーを一つ置いて余裕のあるスペース。
ビルディングテープに沿ってインナーをスライドさせて前室を広げる事が可能。寝る時はインナーを広げて寝室を拡大し、朝起きたら、寄せてバーナースペースを確保なんて使い方ができる。
調整はただインナーをつまんで引っ張るだけ、任意の位置でリニアに固定できる。スライドベルトがブルブル動く感触が面白い。
■インナーテント
インナーテントはベンチレーション3ヶ所、やはり軽量な薄い素材が使われている。ポリアミド15Dマイクロリップストップ
フロアは
ポリアミド30D PUコーティング耐水圧3,000mm。フロアが一番加水分解の可能性注意かも知れない。
■
2016-03-05修正:フロアはポリアミド40D リップストップ サーモプラスチック・ポリウレタンラミネート耐水圧10,000mmでした。
※テントスペックに関しては、Webサイトによってかなり記載事項が異なりますが、
公式Webの情報を正としました。
■競合製品との比較
このテントを選ぶ際に、他に検討したテントは3つ。ノルディスク・
テレマーク 2 ULWとヒルバーグの
アクト/
エナン。このうちテレマークは現物を確認しているが、思った以上にインナーが狭かった。テレマークは、ポールが頭側にオフセットしており、足元が狭くなっている。
対してパワーリザードSUL は、テント中央にポールが配置されている。ヒルバーグの
アクト/
エナンも中央配置は同じなのだが、両サイドの高さが35cm前後なのに対して、パワーリザードSULの方が53cmのサイドポールのおかげで高くなっている。
その結果、コットを入れる事ができるのであった。コットで寝ても、ぎりぎりだがシュラフとインナーが干渉しないスペースを確保できる。
自分のキャンプスタイルにはコット寝必須。もちろん徒歩で移動するキャンプにコットなんて持って行かない。しかし可能性として入るスペースを確保しておきたかったのだ。
1kg前後のワンポールトンネル軽量テントで空間容積の広い製品。そんな選択基準でたどり着いたテントだが、細部を確認すれば上記の通り、軽量化と耐久性の両立の為の工夫が随所に盛り込まれた本気度の高い製品である。ライバルはテラノバあたりであろう。ポップ感やおしゃれ感は全くない。本当に本気度だけが伝わってくる。
Vaudeを購入するのは初めてだが、1stインプレッションで気づいた不満は全くないし、自分自身、初めての本格的なトレッキングテントだなぁという気もする。何度か使ってみたら不満も出てくるだろうから、また使い慣れた頃にレビュー記事をあげたい。
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