ビンテージ沼の前で - Coleman 200A クリスマス

へり

2024年12月10日 20:36

 7歳の初キャンプが起点だとすれば、今年でキャンプ歴46年という計算になる。これまで、キャンプに飽きたり、再開したりを繰り返し、様々なアウトドア用品を購入してきた。



 MSRで道具を統一していた時代もある。次々に発売されるIGT関連製品を、次々に買い揃えるスノーピーカーだった時代もある。割高な国内代理店を避け、欧州のショップと直接取引してテントを買い揃えていた時代もある。

 その中にあっても自分はビンテージのコールマンにハマる事は無いと確信していたのだが、今年の3月にガソリンランタン200Aを自力でオーバーホール、構造を理解して、念の為に消耗品のストックを揃えたところ、細かいパーツの違いが気になりだし、今更ながら収集癖に火が付いてしまった、、、(汗)

 こうなってしまうともう、止められない、、、2024年は、私のコールマン元年であった。

※過去記事:Coleman 200A オーバーホール


 50年~80年代のコールマンの真鍮パーツ達が、構造がシンプルで修復もできるし、磨けば光るし、この時代にしか無い重厚感にすっかりやられてしまったのである。当面の間、私の収集癖は続くことになるが、最初期の200Aである1951年6月生産の通称クリスマスをコレクションに加えた。






 ベンチレーターが赤、タンクが緑の200Aは1951年6月~12月に生産され、7月、10月は生産が無かったので計5ヶ月間のみ生産されている。そのうち、最初期の6月と8月生産には、コールマンロゴのデカールが貼られず販売されており、クリスマスランタンには、デカール無しとデカール有りが存在する。またその他の主な特徴は下記。


 縦溝のベンチレーターナットと大きなブルーポイント



 ベンチュリが一体化、左右非対称形状のUチューブ



 丸い穴あきのベースプレートと無垢のフレームナット。




 マイナス・スクリュー付きフューエルキャップ、




 白い粉をまぶしたような赤い色と、横長のベイル穴を持つ前期形状のハイベンチレーター。



 サンシャインマーク入りのパイレックス・グローブと鉄製のカラー、「After Mantles」複数形が標記されたダイヤル。


 タンクの外観はカラーと当たる部分の塗装が剥げているが、それ以外はとても綺麗。





 1951年のオリジナルパーツをよく残している個体であると思う。部品の素材や形状は、長い200Aの歴史の中で、時代によって移り変わっていく。200Aが奥深く興味のそそられるポイントでもある。


 このあたりの部品詳細は、ナチュログに悪魔的な製品知識を持つ方のブログがあって、参考にさせて頂いています。「シンプルマン



 前のオーナーは時代の味を重視したのか、フレームは錆たまま放置されており、タンク内もぽつぽつと赤錆があった。
 







 錆取り剤は強い薬品なので、できるだけ使いたくないが、錆が進んでいきそうなので、一回だけ錆取りと錆防止処理を行う事にした。タンクからメインバルブを外す緊張の瞬間。バルブをバイスに挟んで、タンクを廻す。



 バルブAssyがタンクと固着して外せない個体はメンテ不可能だ。200Aを購入する時の最も大切なポイントは、ここが外せる個体かどうか、それとチェックバルブが舐めていないかどうか。この2点が分解できる個体なら、いくらでも修理が可能だと思う。


 10倍程度に希釈した花咲かGをタンクに入れ8時間程度放置する。


 
 その他、フレームと真鍮部品も同じく花咲かGに漬け込み。








 フレームの錆は綺麗に落ちた。その他真鍮部品達もピカピカに。






 タンクの中もピカピカ




 初の火入れ、長時間の稼働はさせてないけど、とりあえず数分の燃焼は問題無く、明るく点灯。73年前の製品が、なんら新品のランタンと変わる事無くその役割を果たす姿を眺め、ただ一人、暗いガレージでノスタルジックな気分に浸るのであった。

 うん、次のキャンプはこの子に照らしてもらおう。







 この後、1962年3月生産のバーガンディ最終型(右)も入手しており、1952年のブラックバンド初期型も良品見付け次第コレクションに加えたい。






 探したらすぐ出会えるランタンと、待ってもなかなか現れないランタンと、市場はいろいろ。
 「ビンテージは出会い次第である」

 この言葉が、今はよく理解できるのであった。






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