レビュー:ナショナルジオグラフィック×鎌倉天幕 HIDEOUT

へり

2020年03月14日 16:39

 まだ一度しか使っていないが、もうどんなテントなのかが分かったのでレビュー記事をエントリーしたい。



ナショナルジオグラフィック×鎌倉天幕 HIDEOUT
 
 虫の出る季節はインナーテントを使うなど一工夫必要だが、冬季のインナーレスキャンプをするのに便利なテント。なぜ私が冬季をインナーレスにするのかというと、冬の温かいブーツを脱ぎ履きするのが面倒なのと足を冷やさない為である。ブーツを脱ぐのはシェラフに入る時だけにしたい。

 また武井バーナー等、火器類の転倒で火災など意図しない事故を防ぐ為。そんなスタイルにぴったりなツインポールテント。



 設営はテントを広げて4角をペグダウンし、2本のポールを入れれば立ち上がる。その後残りの4ヶ所をペグダウンすれば完成。最小自立ペグ本数8本。ガイロープ固定が8本ある為、全16本がスタンダードな使い方のペグ本数。

後述するが、風の吹き込み防止で内側からペグダウンする機能を持っており、これを全ヶ所打つと+13本が必要になる。TOTAL29本が最大本数。




設営バリエーション、メッシュにした状態









ドアパネルを解放にした状態
テントサイズは、480cm×760cmの巨体。設営場所を選ぶが、チェア4脚、コット4台を入れても尚、広々としたスペースを確保できる。






フルオープンにした状態


前後左右、どこからでも出入りできるのが、何気にとても便利だった。荷物を少なくして動線を確保したい。







①ペグの固定ベルトが長く調整幅が大きい。




 このテントはドアパネル開閉に6箇所のジッパーが付いており、余りピン張りにするとジッパーの開閉が面倒だ。ペグ位置とテンションによって、開けたら最後、閉められないなんて事が起こりえる。

 ペグダウン時はだるっとゆるゆるにテントを設営し、このベルトでテンション調整するのが良いと思われる。例えばノルディスクのテントだと、このベルトが短く調整幅が少ないので、ある程度テンションを掛けて張りながらペグダウンする必要がある。

 設営後のテントのシワを気にする人は多いと思うが、適当にペグダウンすれば後からピン張りにする事が可能だ。そういう意味では設営速度はちょっ速の部類であろう。







②ポール先端のボールをベルトで挟む構造によってテントの浮き上がりを防止。ボールの材質は対候性のあるTPU。





 この手のテントを強風下で使うと、テント下から風が入り、テント全体が持ち上がってポールが抜ける事がある。以前スノーピークのカヤードでその体験をしているが、この構造によってテントの浮き上がりとポールの脱落を防ぐ工夫がされている。




③テントのガイロープ接続部は全てX-Pacで補強されている。(X-PacはDIMENSION-POLYANT社が開発した3層構造の特殊マテリアル)


幕体に対して伸びの少ない素材で補強する事により耐風性、及び耐久性を向上させていると思われる。テントの素材は取説によるとポリエステルベースのリップストップ生地。Web上ではナイロンベースのリップストップ生地となっておりどちらが正しいのか分からない。

もしかしたら、ポリエステルベースで、リップストップの繊維がナイロンという事なのかも。耐水圧は1,500mm。経験上、耐水圧は500mmあれば土砂降りでも問題無い。




④内側からペグダウンする事で風の巻き込みを防止
ポール高さ250cmで内側をペグダウンしていない状態。地面とテントの隙間は大きく開く。



ポール高さ240cmで内側をペグダウンした状態。(取説はポール高さ230cmでペグダウンする事になっている。)


ぴったり地面の隙間が無くなる。



 取説上はポール高さ250mmが標準。風の巻き込みを防止する為のポール長さは230mm。長さ調整式のポールが必要で、オリジナルはDAC製の調整式ポールが付属。

 但しこのポール径がφ28mmと細い為、自分はFIELDOOR のアルミφ32mmの調整式を使っている。しかしこのポール、250cmには出来るが、230mmにはセット出来ない為、240mmまたは220mmで使っていく事になるだろう。

 ポール高さにバリエーションがある為、フロアの幅が可変という事になり、グラウンドのセッティングベルトは付いていない。しかし上記①の長い調整ベルトがあり、ペグ位置が定まらないような難しさは全く無い。よく考えられて設計されていると思う。




⑤ポールケースとボールが付属。
このテントは上記DACポール付きと付属しないタイプの2種類が発売されているが、付属しないタイプを購入してもポールケースとボールは付いてくる。この辺りも嬉しいポイント。







⑥ヘッドクリアランス十分
 身長180cm超えの人は、シェルター系テントを避けてる人が多いと思うが、このテントはヘッドクリアランス十分。標準的な大きさのテーブルやチェアを中央配置して、その廻りを導線にしても幕体と頭をかすめる事は少なかった。(全く無いわけでは無い)猫背になって過ごす必要が無く、とても楽なキャンプができる。タープ等で最も苦手なのがこの部分、心配していたのだが本当に良かった。







⑦ブランドロゴが小さくてさりげない。(個人的な好み)
 シロクマやウサギのマークとか、大きな書体とか、ファッションにしても、アウトドア用品にしてもブランドロゴが大きく入っている製品が苦手なのだが、「KAMAKURA TENMAKU」のさりげなさが好き。






⑧付属のペグはφ8mmのスチール(ステンレスかも)。十分な太さと強度があり、必要十分なもの。もちろんペグなので地面との相性によるが、多くのケースでソリステに変更しなくても問題無いと思う。ユニフレームのパワーSUSペグに似ているが、こちらの方が太い。ペグダウンTOTAL29ヶ所なのに、22本しか付属しないのが残念。内側ペグダウンは考慮されていないようだ。



そして、嬉しい誤算。下の写真は私が最も多用するペグで小さいのはスノーピークのソリステ20(φ7×185mm)大きいのがコールマンスチールソリッド30(φ9×300mm)。20じゃちょっと頼りないし、30だと打つの面倒だし。。。常々この中間サイズが欲しいと思っていたのだが、今回のペグはφ8×245mmという事でこれから多用する事になりそう。






⑨三角自在
ロゴ入りの三角自在。調整しづらくて嫌い。たぶん変更しちゃうと思う。







⑩収納袋に余裕がある。
さすがに480cm×760cmの巨大なテント。撤収時に丸めてもこんなにデカいの?と一瞬驚くが、収納袋は更に大きく入れ辛い事は無い。ポールもペグもガイロープも余裕を持って収納できる。コンプレッションベルトも付いており四角く収納可。

収納サイズは30cm×30cm×80cm。重量はテントとペグで10.2kg 。上記ポールを含めると12.8kg(実測値)。







以上、最近欧州のテントばかり使っていたので、久々にかゆい所に手が届くというか、日本人らしい設計の工夫というか、繊細さというか、構成部品の少ないツインポールテントでよくここまで工夫するところがあるもんだと、感動的なテントだった。





■ナショナルジオグラフィックHIDEOUT公式
https://kantantarp.com/shop/item/hideout.html








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